1. どちらがベストなのか
屋根のリフォームを検討していると、「葺き替えにするべきか、それともカバー工法が良いのか？」という疑問にぶつかる方は多いのではないでしょうか。
どちらを選んだら失敗が少ないのか、費用や工期はどう違うのか、そもそも自宅の屋根に適しているのはどちらなのか……。こうした悩みを放っておくと、気づけば雨漏りがひどくなり、建物内部の修繕費がかさんでしまうケースもあります。
そこで本記事では、屋根工事のプロも推奨する「葺き替え」と「カバー工法」の違いを徹底比較し、それぞれのメリットやデメリット、さらには業者選びのポイントまでをわかりやすくご紹介します。
ご自宅の屋根工事を検討するうえで「どちらがベストなのか」を判断する材料となるよう、しっかりまとめました。最後まで読んで、ぜひ最適な選択をしてください。
2. 屋根工事の必要性を再確認
屋根のメンテナンスが重要な理由
屋根は雨風や紫外線を直接受け止める、住まいの“要”ともいえる部分です。定期的な点検やメンテナンスを怠っていると、気づいたときには雨漏りや内部の腐食が進行している可能性があります。
屋根は普段あまり目にしない場所だからこそ、ついつい後回しにされがちですが、実は定期的なメンテナンスをすることで建物全体の寿命をグッと伸ばせるのです。
チェックすべきポイント
・屋根材のひび割れや錆び
瓦やスレート、金属屋根など、屋根材ごとに劣化の仕方は異なりますが、ひびや色あせ、錆びなどは劣化が進むサインです。
・雨樋やコーキング部分の劣化
雨樋のズレやコーキングの剥がれは、雨漏りの原因となりやすいポイント。劣化に気づいたら早めの対処が大切です。
・放置するとどうなるのか？
屋根の不具合を放置すると、雨漏りが家の柱や梁（はり）まで達し、木材が腐食する恐れがあります。結果として大掛かりな修繕が必要になり、費用もかさむばかりか、建物の耐久性や断熱性能が大幅に低下します。
また、カビやシロアリが発生しやすくなることで健康面にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。後々手痛い出費にならないよう、早め早めの対処を心がけましょう。
3. 葺き替え（ふきかえ）とは？
定義・概要
葺き替えとは、既存の屋根材をすべて取り外し、新しい屋根材に交換する工法を指します。下地材（野地板）や防水シートが劣化している場合は、同時に補修や交換ができるため、屋根を根本からリフレッシュできるのが大きな特徴です。
メリット
・耐久性が向上する
屋根材から下地材まで一新するため、新築同様の耐久性を期待できます。
・下地の劣化をしっかり補修できる
古い防水シートや傷んだ野地板を確認・交換することで、雨漏りのリスクを大幅に軽減できます。
デメリット
・費用や工期がかさみやすい
既存屋根の撤去作業や廃材処分費用が追加されるため、比較的割高になりやすいです。
・アスベストのリスク
古い屋根材にアスベストが含まれている場合、処分費が高額になり、また処理手続きが複雑になることも。
・工期が延びる場合がある
撤去作業や天候の影響で、思った以上に工期が長引く可能性があります。
・費用感・期間
一般的な住宅の場合、屋根の広さや素材の種類にもよりますが、スレートからスレートへの葺き替えであれば数十万円から百万円超になることがあります。工期は1〜2週間程度が目安ですが、天候や建物の状況次第で変わる点を念頭に置きましょう。
4. カバー工法とは？
定義・概要
カバー工法（重ね葺き）は、その名のとおり既存の屋根の上に新しい屋根材をかぶせる工法です。葺き替えのように既存屋根を剥がさないため、廃材処分費を大幅に抑えられるのが大きなメリットといえます。
メリット
・施工費用を抑えやすい
既存屋根を撤去しないぶん、人件費や廃材処理費用が少なくて済みます。
・工期が短い
撤去作業がないため、スムーズに工事が進みやすく、生活への影響を最小限に抑えられます。
・断熱・防音性能の向上
屋根が二重になることで、夏の暑さや雨音の軽減効果が期待できます。
デメリット
・屋根が重くなる
新しい屋根材を重ねるため、建物への重量負担が増えます。耐震性に不安がある古い家屋などでは注意が必要です。
・下地の劣化を完全に直せない可能性
既存の屋根をはがさないため、野地板や防水シートに深刻な劣化があっても気づきにくい場合があります。
・施工できない屋根形状もある
屋根の勾配が緩すぎたり、素材によってはカバー工法が適用できないことも。
・費用感・期間
スレートや金属屋根へのカバー工法なら、葺き替えと比べて費用が抑えられ、工期も短く済むケースが多いです。一般的には数十万円からの費用帯が目安になりますが、材料のランクや屋根の面積によっては100万円近くかかる場合もあります。
5. どちらを選ぶ？迷った時の判断基準
・建物の状態・屋根材の劣化度合い
下地材まで著しく劣化している場合は、カバー工法では根本的な解決になりません。その場合は葺き替えを検討するのが無難です。逆に、屋根自体はまだ十分に健全で、小規模な補修で済むレベルならカバー工法が向いています。
・予算・コスト面
大がかりな屋根撤去が必要となる葺き替えは、どうしても費用が高めです。一方、カバー工法なら比較的コストを抑えられますが、将来的に下地の不具合が発覚した場合、追加で大掛かりな工事が必要になるリスクがあります。
・建物の構造・築年数
築年数が古い住宅や耐震性に不安がある場合、屋根の重量増加を避けるために、むしろ葺き替えを選んだほうが安心なケースもあります。
・地域の気候条件
台風や豪雪地帯では、屋根材の選択や耐久性、勾配などを慎重に検討する必要があります。どちらの工法でも、強風や積雪に耐えられる素材を選ぶことが大切です。
・将来のリフォーム計画との兼ね合い
外壁の塗装や断熱リフォームなど、ほかのリフォームと同時施工することで足場の設置費用を抑えられるケースがあります。将来的な計画を考えながら、どちらの工法がベストかを検討しましょう。
6. 失敗しない業者選びのポイント
・実績・口コミの確認
ホームページやSNS、口コミサイトなどで、実際の施工事例をチェックしましょう。施工年数が長い業者や、専門性の高い職人が在籍しているかどうかも重要な指標です。
・複数社への見積もり依頼
葺き替えとカバー工法で提案が異なる場合もあるため、複数社から見積もりを取り、内容を比較検討することが大切です。工事費だけでなく、保証やアフターフォローの範囲も見逃さないようにしましょう。
・保証内容の確認
施工保証：工事の不具合に対する保証期間や対象範囲
メーカー保証：使用する屋根材そのものの不具合に対する保証
・アフターフォローの充実度
定期点検や無料診断など、施工後のケアが手厚い業者は安心感があります。長い付き合いを視野に入れて選びましょう。
7. よくある質問（Q&A）
Q1. 屋根材の種類はどう選ぶ？
A. スレート、ガルバリウム鋼板、陶器瓦など、素材ごとに耐久性やデザイン、費用が異なります。地域の気候や建物のデザインとの相性も考慮しながら、業者や専門家と相談して決めると失敗が少ないでしょう。
Q2. 雨漏りしている場合はどちらが良い？
A. 雨漏りの原因が下地の傷みや防水シートの劣化にある場合は、葺き替えが望ましいケースが多いです。カバー工法だと根本的に修繕できず、またすぐ雨漏りが再発することもあります。まずは専門家による原因調査が欠かせません。
Q3. 工事期間中に雨が降ったらどうなる？
A. 葺き替えの場合、既存屋根を撤去した後は防水シートなどで養生しながら作業を進めます。カバー工法でも同様に、急な雨には一時的に防水シートを敷くなど対策を施すので、よほどの長雨でない限り大きな問題はありません。
8. まとめ
屋根工事には、「葺き替え」と「カバー工法」という二大選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、建物の劣化度合いや予算、将来的なリフォーム計画によってベストな工法は変わってきます。
葺き替え：屋根を一新できる一方、費用と工期がかさみやすい
カバー工法：費用を抑えやすく工期も短いが、下地に問題があると根本解決にならない可能性がある
迷った場合は、一度プロに建物診断をしてもらい、状況に合った提案を受けると安心です。複数の業者に見積もりを依頼することで、工事費用だけでなく、保証やアフターサービスの手厚さも比較検討し、納得のいく工事を行いましょう。
福山市や倉敷市、笠岡市、里庄町、浅口市の方で屋根工事をご検討なら武内塗装店までお気軽にご相談ください！
